冬の朝
足の冷たさと寒さで目が覚める。
朝の静謐な空気を鼻腔いっぱいに吸い込む。
冷たさと共に心地よさが胸に広がってきた。
卸したての真っ白なシーツを広げるときのような、清潔な気配。
雪に侵されたこの街に生まれて14年。
もうずっと、冬の朝はこうやって過ごしてきた。
雪はすべての音を吸収してしまう。まるで物音を許さないみたいに。雪が街を支配するみたいに。
静寂の中で唯一許された除雪車のゴォーという音が、窓の外から聞こえる。
寒いけれど開けてみる。
まだ5時だと言うのに、除雪車に乗って働いてる人がいるんだ。
もう見慣れた光景なのに、そんなことに少し感動する。
ああ、この街中の人がみんな幸せになったらいいな。