新人声優の落書き

声優の玉子である私の落書き集。基本声優以外のことばかり書きます。

亜麻仁油で肌がきれいになった!

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最近、東京に来てからというもの謎の体調不良やケガに悩まされています。
特に肌の乾燥は著しくて、地元の雪国では加湿器も要らないうえにオールインワンジェルで事足りたものの、
東京に来てからはオールインワンジェルだけだと口元周りの皮膚が破れてしまいました。


それ以来乾燥肌用の洗顔フォームに変えたり高保湿の化粧水や乳液を使っています。
そのお陰かさすがに皮膚が破れることはなくなりました!
しかしもっと根本的に改善したいと思い、乾燥肌という体質を改善するにはやはり食べ物だと思いいたりました。
そんな時、知人から亜麻仁油を食事に取り入れたらボディクリームが要らないほど肌が潤うようになったという話を聞き、
取り入れてみることにしました。


古くはきのこ紅茶や食べるコラーゲンから、日本にはあらゆる美容食品が女性を翻弄し続けて来ましたが、
私は今までそういうものには「どうせ女性の気持ちにつけこんだビジネスでしょ?」と懐疑的でした。
ただ今回試してみる気持ちになったのは、知人から直接おすすめされたということと肌の乾燥で精神的にも少し参っていて
藁にも縋る思いだったということが大きいです。


それから早速ネットでアマニ油について調べました。
アマニ油にはオメガ3やオメガ6といった栄養素が含まれており、これは体内に入るとDHAEPAに変わります。
DHAEPA人間にとって必要不可欠な栄養素であるにも拘らず、人の体で自然に生成することはできないのだそう。
だからこそそれらが含まれている青魚など、食べ物から摂取するしかないんですね~
生活習慣病の改善予防効果、記憶力や学習能力を高める効果、美肌効果があるらしいです。


ただ一方でデメリットもあるようで、酸化したアマニ油を摂取すると血液に悪影響があることもあるみたいです。
熱を加えると酸化してしまうことが多いので、サラダなどにかけるのがおすすめです!
以前味噌汁にアマニ油をかけて食べていたのですが、途中で冷めて電子レンジで温めてしまいました。
温めたあとに気づいて、次からはサラダなど冷たいものにかけようと思いましたね・・・


どれを買えばよいか分からなかったのですが、私は楽天のアマニ油部門でランキング上位でなおかつ手が届く範囲のお値段のものを購入しました。
一本1000円程度で無理なく取り入れられてます。



で、結局効果はどうなのかというと、アマニ油を摂取し始めた翌日から快便に!その時点では肌への効果は感じてませんでしたが、一週間も続けると毛穴が小さくなって
肌がつるんとしてきました!
また私は剛毛なのですが、髪の毛も柔らかくなり艶も出てきました

デメリットは今のところなく、しばらく続けてみようと思います

桃の白濁【前編】

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いつか分からない時間に目を覚ます。
橙色の暖かい光が窓から入り込んでいるから恐らく夕方なのだろう。
この部屋には時計がない。そんなもの必要ない。ここでは時間という概念がない。
今日が何日なのか、ここに来てからどれくらい経つのかも忘れてしまった。

薄桃色のサテンのパジャマが肌に心地よく、このまま眠っていたくなる。
昨日(と言っても恐らく)食べた桃のジェラートの残りがあるのを思い出して、ベッドから起き上がる。
床に足をつけると、足元に冷たくとろっとした物が伝わる。見てみると蜂蜜だった。
蜂蜜は足の指の間を侵食する。むにむにした感触が何だか心地よい。
どうしてこんなところに蜂蜜が広がっているのかと少し考えたが、どうでもよくなってしまってそのまま立ち上がった。
シフォン素材の柔らかな羽織を着てキッチンに向かう。

冷蔵庫からジェラートを取り出す。
細やかなレースの柄が刻まれた硝子でできたパフェグラス。
口をつける部分が波打っていて、ビブラートみたいだと思った。
お気に入りの金色のスプーンを取り出して来て食べる。
うん、やっぱりひんやりしていて甘ったるい。
この過剰な甘さと冷たさが、私の思考を麻痺させる。
何か思い出さなきゃいけないことがたくさんあるのに、思考に霧がかかって考えることができない。
これが朝ごはんなのか晩ごはんなのかも分からない。
前はそんな状態に「このままじゃまずい」という危機感もあったけど、今はどうでもよくなってしまった。
そんなことを感じていたのも、遥か昔のように思える。

ぼーっとしてる間にジェラートが溶けだした。
白味がかった桃色の洪水。
マーブル模様みたいに白と桃色が混ざる。
その様をずっと見ていられる。

檸檬畑でつかまえて

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容赦なく燃える太陽の日差しを浴びながら、それでも彼を目指して急いで歩く。
檸檬なんてそのままで食べられない果物、大嫌いだった。
存在意義が全然分からなくて、まるで自分みたいだと思った。
でも今は違う。
彼と出会ってから、すべてのことに意味がある。
目の前に広がる何百本もの木に何百個と生ってる檸檬だって、この道を抜ければ彼に会えるという道しるべなのだから意味がある。
この檸檬畑を抜けたら彼に会える!
逸る気持ちに鼓動が高鳴る。会ったらどんな風に笑ってくれるだろう。どんな風に優しく労ってくれるだろう。どんな風にキスしてくれるだろう。
太陽の日差しなんて全然気にならない。
今は僕の気持ちのほうがずっとずっと強いから。


もうすぐで彼のところに着く、水やりをする彼の後姿が見えてきた・・・!
気持ちに急かされて走り出す。苦しくて声が出せない。
彼も僕に気づいて手を振ってくれる。
夢中で走って、はぁはぁと息を切らせながら僕は彼に抱き着いた。
「はは、良く来たね。こんなに暑いんだから僕が帰ってくるまで家にいても良かったのに」
走ったからなのか、気持ちが高ぶってるからなのか、いつまでも息が整わなくて返事ができない。
彼に抱き着いたまま何も考えられない。
「ルカ、さすがに暑いよ。こういうことは仕事が終わって涼しいところでしよう?」
そう言いながらも、彼は自分から僕を拒否することはしない。引き離そうともしない。本当に優しい。
彼と離れるなんて嫌で、暑くて何も考えられなくて、ただ僕はキスをしてほしくて、彼にキスを強請る。
困った顔で「ルカ、家に戻ってからにしよう?熱中症になっちゃうよ?」と言う。また僕の心配ばかり。
「今がいい」その一言だけやっとの想いで言うと、観念したように僕にキスをくれる。


彼とのキスはまだ慣れない。彼みたいに甘くて、優しくて、本当に融けてしまいそうだった。
彼の僕より一回り多きい肩に手を回すと、シャツが汗で濡れていて少しだけ汗の匂いがした。
その匂いが僕の熱をさらに高ぶらせた。
世界には僕たち2人だけしかいなかった。

誰とでも寝る女:中

私の気分は地の底まで落ちた。
まるで私の足元だけ地獄の底に続く落とし穴が空いたようで、重たい気分が何をやっても体を重くして、それ以降どうやってその場をやり過ごしたのか覚えていない。
もう彼女の顔も見れなかった。何も見れなかった。
いつも一緒に行動してた私たちだったけど、今日は移動教室もトイレも下校も別だった。
歩けなくて、足が動かなくて、学校から家までの道のりが酷く遠く感じた。永遠に着かないような気がした。
やっとの思いで家に着くとベッドに倒れこむようにして眠った。
明日をどうやって生きていけばいいのか分からなくて、もう目を開けたくなかった。このまま今日で時間が止まればいいのにと思った。



翌朝、残酷なことにいつも通りの時間に目が覚めた。
意外と昨日みたいな重い気持ちや絶望感は残っていなくて、倦怠感があるだけだった。
あんなに学校に行きたくないと思ったのに、いつも通りの時間に目が覚めたからという理由だけで何となく学校へ向かった。
だけど、学校に着いてからが地獄だった。
家の方向が真逆な私たちは、唯一登校は一緒にしていなかった。
そして彼女は平気で遅刻したり遅刻ギリギリに来たりしていた。
いつものごとく、彼女は待てども待てども来ない。
いつもでさえ彼女を待つ時間がじれったいのに、今日は拷問のように感じられて学校に来たことを後悔した。



彼女は昼休みの時間になってやっと来て、気だるそうにあくびをしていた。
彼女の素行の悪さに慣れたのか呆れたのか先生たちも形だけの注意しかしない。
彼女の顔を見れない。いつも彼女とどんな風に接していたっけ。分からない。
努めて自然におはようと言うと「もうお昼でしょ」と言われてしまった。
何やってんだ私。予想してなかった返答に軽いパニックになる。
話題を変えようと、弁当食べようよと言った。
すると彼女は「いい。食べてきたから」とだけ答える。
彼女のほうはいつもと何も変わってないのに、なぜかいつもより冷たく聞こえる。
「そっか」とだけ答え弁当を食べ始める。

その時運悪く昨日の男子が彼女を見つけ、「おーー!ビッチ、お前重役出勤かよ」と大声で揶揄した。
さぞかし不機嫌になるだろうと思ったが、彼女は顔色変えず「そう。今日のやつしつこかったんだ」と答えた。
男の下品な軽口を相手にしたのもビックリしたし、私よりも男子との会話のほうが生産的な感じがして困惑したし無性に腹が立った。
もしかしたら彼女は、ビッチとか尻軽とか、一般的に蔑称とされてる言葉を言われるのが好きなんじゃないだろうか。
心なしか男子に話しかけられて表情が柔らかくなった気がするし、むしろビッチであることを誇っているかもしれない。
そして何より、昨日の「女は無理」というまるで蚊を払うような軽すぎる拒否によって、告白する間もなく私が振られるのは到底納得できない。
そしてそれがこんな下品な男の下品な軽口が発端になったなんてことも、到底受け入れられない。
だから確かめなきゃ仕方なかった。私が本当に性的な対象にならないのか。私に性的な価値がないのか。

彼女との関係がこれっきりになることを覚悟して、訊くことにした。
「ねぇ、昨日さ、男と寝るのはただの性欲処理で、そこに恋愛感情はないって言ってたよね」
「うんそうだよ」
「ただの性欲処理だったら、女とでもできるんじゃないの?」
「またその話ー?なんでそんなに女とセックスさせたがるの?」
「私とは付き合えないの?」
「・・・」
「私女とはキスできないんだよね」

私のことを一瞥もせず彼女は言った。
私はこれまでの人生で最悪な気持ちになった。裸にされてお前に価値はないと言われ石を投げられてる気分だった。
おかしいおかしいおかしい!だって、私は見た目だって悪くないし、成績だって良いし、何より、一人で寂しかった彼女に話しかけてあげたのに!!
なんで私が振られなきゃいけないんだ!こんな尻軽女なんかに!
男が「えーお前こいつのこと好きだったん?良かったじゃん病気もらわなくて」と言った。
「てか前から気になってたんだけどさ、なんで2人っていつも一緒にいんの?全然タイプ違うっていうか、そもそも全然仲良くないじゃん!お前がこいつの後にひっついて、金魚のフンみたい」
そう言われた途端、感情の糸が切れて気づけば男を殴っていた。
男は殴られた衝撃で床に倒れた。私はその上にまたがって殴り続けた。手に血がついたのが不快だったが、止まることができなかった。

誰とでも寝る女:前編

彼女は誰とでも寝る女だった。
今日愛し合った男とは明日には他人の関係になっていて、毎日違う男を連れていた。
本当に毎日違うのだからビックリする。
また、彼らは全員が全員まったくタイプが違った。
優等生もいればヤンキーもいて、見た目も整っている男もいれば不細工な男もいた。
そんなんだから女子から嫌われていて、彼女が通るたびに女子たちは噂や悪口を言いふらした。
男子からも良く思われてはおらず、彼女は孤立していた。


私はそんな彼女の唯一の理解者であり親友だった。
孤立している彼女を見て、私のほうから話しかけた。
私たちはいつも一緒に行動していた。私は彼女の男癖を良くは思ってなかったが口を出すことは絶対にしなかったし、
彼女もそれが心地よかったんだと思う。


ある日彼女は男子から「お前ってそんなに男が好きなの?」と聞かれた。
そしたら彼女は「嫌いだね。だけどセックスは好き。だから一度寝た男とはもう二度と寝ない。」と答えた。
本当に衝撃だった・・・!
てっきり根っからの男好きなんだと思っていた!
嫌いな生き物と愛し合えるのって、そんなのどうかしてるとは思うけど、でも事実彼女は男が嫌いなんだ!
ただ性欲処理のためだけに男と寝てたんだ!
そう思った途端に私もそういう対象になれるんじゃないか、性欲処理だろうが、一時の気の迷いだろうが、なにかの間違いで自分とだってそうなることもあるんじゃないかって期待してしまって、興奮してもうダメだった。
勇気を出して、精一杯自然に、なんてことない様に、もしダメでも気まずくならない程度の声のトーンと雰囲気で「じゃあ女もいけるの?」と聞いた(すごく勇気を出して・・・!)
すると話を聞いていた男子が「え!?お前見境ねーのかよ!」と煽った。
「あー女は無理」と一言でバッサリ切り捨てた。
頭が真っ白になった。男が「だよな!さすがのお前でもそれはねーよな!」と笑っていたのを最後に、言葉が聞き取れなくなった。

3億円事件に寄せる、魂の若さ

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3億円事件について、ミッツマングローブさんが語っているコラムを読んだ(上記の物)。
そのコラムの中で、どうして人がここまで3億円事件に惹かれるのかという分析が書かれており、コラムの終盤ではあまつさえこの事件を「耽美」などと評していた。
ここまで私の溜まりに溜まった溜飲を下げてくれた記事はなかった。
ミッツさんのこの記事は、私がこれまで読んだコラムの中で堂々の第1位だ。


そう、何を隠そう私も3億円事件に惹かれ、その中に「耽美」を感じてしまった一人なのだ。
これは小学生のころから。昭和事件史!のようなテレビ特集で3億円事件が取り上げられるたびに、
得も言われぬ高揚と興奮に見舞われ、そこに物語性を感じていた。
そのときめきは日常の中で薄れることはあっても忘れることはなく、何かをきっかけに思い出しては、顔しか分からない犯人である青年に度々思いを馳せていた。


そのコラムの中では「私たちが3億円事件の真相について何も知らないことや、あの有名な顔写真も実際は顔写真ではなく"モンタージュ"であって、犯人の顔形・目鼻立ちなどについて似ているものを集め、合成して作る写真であるため
本当は顔だって分からない」という旨のことが書かれていた(原文ママではなくかなり脚色している)。
またそれに加えて「唯一分かっているのは壊滅的な若さだけ」とも。


そう、私たちは3億円事件について何も知らない。
蜃気楼に隠された事件の真相。
その中で唯一浮かび上がる若さという罪。
若さが罪であること、そして若さが免罪符であること、この矛盾を、同時に成立させてしまっているのがこの事件の本質なんだ。
若さに身を滅ぼされた、若さに身を捧げたこの事件の犯人。
昔聞いた歌の中に、「若さを無駄使いしたい」という歌詞があった。


3億円事件の犯人は、若くして亡くなってしまった恋人かのように、あの壊滅的に若い青年のまま私の中で記憶されいく。私の方は歳をとる一方なのに。
壊滅的なまでの、若さ。
もう私は壊滅的に若いというわけではなくなってしまったけど、それでもずっと覚えている。


若さと言う罪も免罪符も、もう私の手元にはない。
若さを持て余すことはなくなった。
飼い慣らすようになった。
こうやって、魂は歳をとるのだろう。

『同級生の訃報』 1:突然の訃報 

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「波流夏ー!電話よ、降りてきてー!」
行動経済学の教科書を開き、まさに今から勉強しようかというところでリビングにいる母から呼ばれた。
家の固定電話に私宛に電話、なんて。おかしい。友達やバイト先にはLINEしか教えてないし、固定電話に私宛ってことは学校かなんかしらの公的機関か・・・まさか警察?
嫌な予感に苛まれながら、リビングに向かう。


リビングに入ると母が不安げに「週間Aの記者さんだって。何もしてないわよね?」と言ってきた。
週刊誌の記者!?想像してなかった。まったく覚えがない。
より強い不安を感じながら、「何もしてない」と答え受話器を取る。
「もしもし」
「あ、小野波流夏さんですか?」
「はい、そうです」
「突然連絡してすみません。私週刊Aの山本といいます。
実は昨夜、立花愛理さんが亡くなったんですけど、立花さんとは同級生でしたよね?」
「え・・・」


立花愛理・・・名前を言われて今思い出した。むしろ今まで忘れていた。
記憶を遡って、何とか顔を思い出す。確かに、高校の同級生だった。
彼女とは別のクラスだったけれど、場違いながら別のクラスの人間にまでわざわざ電話してくる記者に感心した。


「立花さんについて知っていることを教えていただきたいんですけど、彼女はどんな人でした?」
「すみません・・・私は立花さんとは違うクラスだったんで、何も知らないです。
試験勉強があるので、すみませんが失礼します」
そう言って、一方的に電話を切った。
実際私は彼女について話せることなんて何もなかったし、当時私と彼女の交流と言えば、
教科書を忘れた彼女に教科書貸してと頼まれたことが2回あったくらいだった。
なんかもっと、彼女について知ってたことがあったはずなんだけど・・・思い出せない。


キッチンに居る母に「なんか高校の時の同級生が亡くなって、それについての取材だったらしい。
その人と何にも交流なかったからすぐ電話終わったよ」と告げ部屋に戻る。
勉強に戻ろうと思ったけど頭の中で彼女のことがグルグル回る。
もうダメだ、とりあえず勉強は中断しよう。
まずは卒業アルバムを引っ張り出してみる。3年ぶりに開いたアルバムは少し埃がかっている。
中を開くと懐かしい写真がたくさん出てきて、思わず感慨にふけりそうになる。
そんなことしてる場合じゃないと、ページをめくる。

・・・いた。立花愛理。
クッキリとした二重に黒目がちな目が印象的な整った顔。
華やかながら少し幼い印象で、アイドルにいてもおかしくないビジュアル。
彼女の写真を見た途端に、当時の情景が、空気が、香りが急激に蘇った。
走馬灯みたいに映像としてハッキリと脳裏に浮かんだ。